7月7日の朝、いつものようにセブンイレブンでコーヒーを買おうとして「あれ、値段が上がってる」と気づいた方も多いのではないでしょうか。セブンカフェがレギュラーサイズで20円、ラージサイズで40円の値上げを実施したんです。
「また値上げか…」とため息をついた方もいるかもしれません。実はこれで3回目なんですよね。でも、この値上げって実は単なる企業の都合じゃなくて、コーヒー業界全体が抱える大きな問題の表れなんです。
今日は、この身近な値上げから見えてくるコーヒーの未来について、一緒に考えてみませんか。
値上げの本当の理由って何だろう
セブンイレブンは値上げの理由を「地球温暖化や天候不順などによるコーヒー豆の価格高騰」と説明していました。まあ、確かにその通りなんですが、実はこれって表面的な話なんですよね。
もう少し深く調べてみると、「コーヒー2050年問題」という、かなり深刻な問題が関係していることが分かってきます。簡単に言うと、このままだと2050年までに美味しいコーヒーを作れる場所が半分になっちゃうかもしれない、という話なんです。
私たちが普段飲んでいるコーヒーって実は…
カフェで飲む美味しいコーヒーの大部分は「アラビカ種」という品種から作られています。聞いたことありませんか。世界のコーヒー生産量の約7割を占めている、いわばコーヒー界のエースなんです。
ところが、このアラビカ種がめちゃくちゃデリケートな植物で。人間でいうと、すごく繊細で環境の変化に敏感なタイプっていう感じでしょうか。
理想的な環境っていうのがこんな感じなんです:
- 気温は15〜24℃(日本の春とか秋くらい)
- 標高450〜2,300メートル(富士山の中腹あたり)
- はっきりとした雨季と乾季
- 昼と夜の気温差がしっかりある
でも、地球温暖化でこういう条件を満たせる場所がどんどん減ってるんですよ。農家の人たちは仕方なく、もっと高い場所に畑を移そうとするんですが、高いところって当然面積が狭くなりますよね。
さらに困ったことに、温暖化でコーヒーの木の大敵「さび病」も増えてるんです。湿度が上がるとこの病気が蔓延しやすくなって、農家の人たちは本当に大変な思いをしています。
コーヒーの値段、実際どのくらい上がってるの
数字で見ると結構衝撃的なんですが、集英社オンラインの報道によると、コーヒー豆の国際価格がこの1年で約2.2倍になってるんです。去年の11月には歴史的な高値を記録して、業界の人たちもビックリしました。
で、その影響が私たちの身近なところにも現れてるんですよね:
みんなが使うコンビニコーヒーも軒並み値上げ(2025年7月7日時点、各社公式発表より)
- セブンイレブン:レギュラー120円→140円(20円up)
- ファミリーマート:ホットコーヒーSサイズ 145円
- ローソン:ホットコーヒーSサイズ 160円
コーヒーチェーンも値上げラッシュ
ドトールやUCCなんかも、相次いで価格を上げてます。スーパーで買う家庭用のコーヒーも値上がりしてますよね。
集英社オンラインの報道では、専門家の中には「将来的にはコーヒー1杯1000円になっても不思議じゃない」って言ってる人もいるんです。ちょっと信じられないかもしれませんが、需要と供給のバランスが崩れれば、あり得ない話じゃないんですよね。
でも実は、コーヒーを飲む人はどんどん増えてる
価格が上がる理由にはもう一つあって、それは世界中でコーヒーを飲む人が増えてることなんです。
特に中国とか東南アジアの国々で、コーヒーブームが起きてるんですよ。昔はお茶文化だった国でも、カフェがどんどんできて、若い人たちがコーヒーを飲むようになってます。
日本コーヒー協会のデータによると、日本でも2018年時点でこの20年で約3割もコーヒー消費量が増えてるんです。考えてみると、昔に比べてコンビニコーヒーが当たり前になったし、家でもおいしいコーヒーを飲む人が増えましたよね。
本来なら「需要が増えるのは業界にとって良いこと」なんですが、供給側に問題があると、逆に価格上昇の原因になっちゃうんです。
コーヒー農家の人たちも大変なんです
私たちは値上がりに困ってますが、実はコーヒーを作ってる農家の人たちはもっと大変な状況なんです。
コーヒー豆の値段って、農家の人たちが決められるわけじゃないんですよ。国際市場で決まった価格で買い取られるのが一般的で、材料費や人件費が上がっても、なかなか収入に反映されないのが現実なんです。
そんな状況だから:
- 若い人がコーヒー農業から離れていく
- より儲かる他の作物に変える農家が増える
- 小さな農家は経営を続けるのが難しくなる
といった問題が起きてます。ワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)の報告によると、世界中で約2500万人がコーヒー作りで生活してるので、これって経済問題というより、もう社会問題になってるんですよね。
でも希望はある!業界の頑張りと新しい技術
こんな大変な状況ですが、業界全体で色々な対策が始まってるんです。
気候変動に強い新しいコーヒー品種を作る
研究者の人たちが、今よりも暑さや病気に強いコーヒーを開発してるんです。例えば:
- アラビカとロブスタを掛け合わせた「F1ハイブリッド」
- 野生のコーヒーをベースにした新品種
- さび病に負けない強いコーヒー
環境に優しい栽培方法
地球に負担をかけずに、しっかりと収穫できる方法も研究されてます。
企業も本気で投資してる
ネスレなんかは2030年までに約1,600億円を投資するって発表してるんです(講談社SDGs by C-station報道)。他の大手企業も続々と対策に乗り出してます。
ロブスタの見直し
今まで「アラビカより劣る」って言われてきたロブスタも、実は可能性がいっぱいあるって分かってきました。品質を上げる研究も進んでるんですよ。
私たちにも何かできることはあるの
「大きな問題だけど、自分には関係ないかな」って思うかもしれませんが、実はコーヒー好きの私たちにもできることがあるんです。
1. ちょっと良いコーヒーを選んでみる
フェアトレードとかオーガニックのマークがついたコーヒーを選ぶと、持続可能な農業を応援できます。確かに少し高いかもしれませんが、長い目で見ればコーヒー業界全体の健康につながるんです。
2. 値段だけじゃなくて、背景も考えてみる
安いだけで選ぶんじゃなくて、どこで作られて、どういう人たちが関わってるかを知ることで、より良い選択ができるようになります。
3. 無駄をなくす
当たり前のことですが、必要以上に買いすぎたり、残したりしないようにすることも大切ですよね。
4. 興味を持ち続ける
コーヒーの今の状況について、たまに調べてみたり、ニュースをチェックしたりするだけでも、きっと役に立ちます。
これからのコーヒーとどう付き合っていこうか
今回のセブンカフェ値上げをきっかけに、ちょっと考えてみませんか。「コーヒーってどういう存在なんだろう」って。
値上がりって確かに嫌ですが、これを機会にコーヒーの本当の価値について考え直してみるのも悪くないと思うんです。
安いだけが正義じゃない
コーヒーの価値って、値段だけじゃ測れないですよね。作ってる人の苦労とか、環境への配慮とか、文化的な意味とか。そういうことを知ると、もっと豊かなコーヒーライフが送れるんじゃないでしょうか。
いろんなコーヒーがあることを知る
アラビカばっかりじゃなくて、ロブスタの面白さとか、地域ごとの特色とか。新しい発見があるかもしれません。
技術の進歩に期待
新しい品種とか栽培技術で、気候変動に負けないコーヒー作りが実現するかもしれませんし。
まとめ:毎朝の一杯に込められた、たくさんの人の思い
セブンカフェの値上げから始まって、いろんなことが見えてきましたよね。コーヒー業界が大きな変わり目にあることも分かりました。2050年問題っていう大変な課題もありますが、同時にみんなが力を合わせて解決しようとしてることも事実です。
私たちコーヒー好きにとって大事なのは、値段が上がった下がったで一喜一憂することじゃなくて、コーヒーの未来を考えた行動を取ることだと思うんです。
毎朝飲んでる一杯のコーヒーには、遠い国の農家の人の汗と努力が込められてます。気候変動という大きな問題に立ち向かってる研究者や企業の人たちの思いも入ってます。
そんな一杯を大切に味わいながら、私たちも未来のコーヒー文化を守る仲間として、できることから始めてみませんか。
2050年になっても、美味しいコーヒーでほっと一息つける世界であってほしい。そのために今、私たちができることがきっとあるはずです。
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