コーヒーを愛する皆さん、こんにちは。先日、念願だった岩崎泰三さんプロデュースのTCLロースティングファクトリーとパーラーNo.3を訪問してきました。今回はその際に購入したグアテマラ豆のレビューをお届けします。
なぜグアテマラの通常豆とデカフェを選んだのか
TCLで豆を選んでいる際、デカフェ豆として販売されていたのがグアテマラ1種類でした。そして同時に、通常のグアテマラ豆も販売されていたんです。カフェインレス愛好家の私としては、「これは絶好の比較チャンス!」と思い、両方を購入することにしました。

同じ産地、同じロースターで焙煎された豆なら、デカフェ処理による味の違いがより明確に分かるのではないかと期待したからです。
グアテマラコーヒーの基本知識
まず、グアテマラコーヒーの特徴について簡単におさらいしましょう。
グアテマラは中米を代表するコーヒー産地の一つで、標高1,500メートル以上の高地で栽培されることが多く、昼夜の寒暖差が大きいため、コーヒー豆がゆっくりと成熟し、豊かな風味を育みます。火山性土壌のミネラル豊富な環境も、独特の味わいを生み出す要因となっています。
一般的にグアテマラコーヒーは、以下のような特徴があります:
- バランスの取れた酸味と甘み
- チョコレートやナッツのような風味
- しっかりとしたボディ感
- クリーンな後味
デカフェ(カフェインレス)処理について知ろう
ここで、デカフェがどのように作られるのかを解説します。カフェインレスコーヒーには主に以下の処理方法があります。
1. ウォータープロセス(水抽出法)
生豆を水に浸してカフェインを抽出する方法。最も自然で、コーヒー本来の風味を保ちやすいとされています。
2. 二酸化炭素抽出法
液体状の二酸化炭素を使ってカフェインを除去する方法。化学物質を使わないため安全性が高く、風味の損失も少ないです。
3. 有機溶媒法
ジクロロメタンなどの有機溶媒を使用する方法。効率的にカフェインを除去できますが、風味への影響があることも。
4. スイスウォータープロセス
特殊な水を使った処理法で、99.9%のカフェインを除去しながら、コーヒーの風味成分を保持する技術です。
一般的に、品質の高いデカフェほど、ウォータープロセスや二酸化炭素抽出法が使用される傾向にあります。
豆の外観比較
購入価格: 各約1,000円(100g) 焙煎度合い: フルシティロースト程度


両方の豆を並べて観察してみましたが、正直なところ、見た目では通常豆とデカフェの区別はつきませんでした。どちらも:
- 豆の表面に適度なオイルが浮いている
- 深煎りの美しい茶褐色
- 粒の大きさや形状も均一
- 香りも同様に芳ばしい焙煎香
これは焙煎技術の高さを示していると思います。デカフェ特有の「なんとなく違う」という印象がないのは、TCLの品質へのこだわりを感じました。
抽出条件を統一した飲み比べ
公正な比較をするため、抽出条件を可能な限り統一しました。


抽出条件:
- 使用器具:ドリップバッグ×2
- 豆の使用量:各12g
- お湯の温度:約90℃
- 投入湯量:約170ml
- 完成量:約130ml
- 抽出時間:約3分
同時に抽出することで、温度や時間による変数を最小限に抑えました。
いざ、飲み比べ!
通常豆の印象
まず通常豆から。カップを口に近づけると、グアテマラらしい豊かなアロマが立ち上がります。

味わいの特徴:
- 第一印象: バランスの良い酸味と甘みが調和
- 酸味: 明るく爽やかな印象、オレンジのような柑橘系
- 甘み: キャラメルやブラウンシュガーのような深い甘み
- 苦味: 程よく、後味を引き締める役割
- ボディ: しっかりとした重厚感
- 後味: 長く続く余韻、チョコレートのような風味
さすがTCLの焙煎技術と思わせる、非常にバランスの取れた一杯でした。
デカフェ豆の印象
続いてデカフェを。見た目はほぼ同じなので、先入観なしで味わえます。
味わいの特徴:
- 第一印象: 通常豆と同様のグアテマラらしさ
- 酸味: やや穏やか、でも十分に感じられる
- 甘み: 通常豆とほぼ同等の甘み
- 苦味: 適度で嫌味がない
- ボディ: 通常豆と比べてわずかに軽い印象
- 後味: クリーンで飲みやすい
飲み比べ結果:違いはある?
正直に言うと、単独で飲んだ場合、どちらがデカフェかを当てるのは難しいレベルです。これは非常に驚きでした。
明確に感じた違い:
- ボディ感: デカフェの方がわずかに軽やか
- コクの深さ: 通常豆の方がほんの少し深い印象
- 余韻の長さ: 通常豆の方が長く続く
共通点:
- グアテマラらしい風味特性は両方に健在
- 酸味と甘みのバランス
- 全体的な品質の高さ
デカフェ処理による風味の損失は最小限に抑えられており、カフェインを控えたい方でも十分に満足できる品質だと感じました。
それぞれの楽しみ方
通常豆がおすすめのシーン
- 朝の目覚めの一杯として
- 仕事や勉強の集中したい時
- コーヒーの深い味わいをじっくり楽しみたい時
デカフェがおすすめのシーン
- 夜のリラックスタイム
- 就寝前でもコーヒーを楽しみたい時
- カフェインを控えている方
- 妊娠中・授乳中の方
- カフェインに敏感な方
コストパフォーマンス評価
1,000円(100g)という価格設定は、スペシャルティコーヒーとしては妥当な範囲です。特にデカフェは一般的に通常豆より高価になることが多い中、同価格で提供されているのは良心的だと感じます。
TCLの焙煎技術と岩崎泰三さんのセレクト眼を考えると、この品質でこの価格は十分にコストパフォーマンスが良いと評価できます。
カフェインレス愛好家としての感想
今回の飲み比べを通じて、改めてデカフェの可能性を感じました。「カフェインレス=味が劣る」という固定観念を覆すような品質の高さです。
特に印象的だったのは、デカフェでもグアテマラの特徴がしっかりと表現されていることです。これなら、カフェインを控えたい方でも「妥協」ではなく「選択」としてコーヒーを楽しめるでしょう。
まとめ:TCLの品質へのこだわりを実感
今回のグアテマラ豆飲み比べを通じて、TCLの焙煎技術の高さと、岩崎泰三さんの豆選定眼の確かさを実感しました。通常豆はもちろん、デカフェも妥協のない品質で提供されているのは、コーヒー愛好家として心から嬉しく思います。
カフェインレスコーヒーの世界はまだまだ奥が深く、今後も様々な産地やロースターのデカフェを試してみたいと思います。次回は同じくTCLで購入したエチオピア豆のレビューをお届けする予定です。
コーヒーを愛する皆さん、そしてカフェインを控えたい方々にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。美味しいコーヒーライフを一緒に楽しんでいきましょう!
今回レビューした商品
- TCLロースティングファクトリー グアテマラ(通常豆)
- TCLロースティングファクトリー グアテマラ(デカフェ)
- 価格:各約1,000円(100g)
- 購入場所:TCLロースティングファクトリー(東京都練馬区石神井台)
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