コーヒー好きの皆さん、こんにちは。最近、ふとした疑問から始まった調査で、コーヒードリッパー業界の意外すぎる真実を発見してしまいました。
それは「YouTube界隈での評価」と「実際の企業規模・市場影響力」が、まるで正反対だったということです。
きっかけは、メリタのドリッパーへの素朴な疑問
私は普段、カフェインレスコーヒーの自家焙煎を楽しんでいるのですが、ドリッパーについて調べていて気になったことがありました。
YouTubeなどの各種の発信ではでは、こんな風に言われがちですよね。

「人気」とされるドリッパー:
- ハリオV60(円錐形)→「プロ仕様」「上級者向け」
- カフェックのフラワードリッパー(円錐形)→「スペシャルティコーヒーの定番」
- コーノ(円錐形)→「バリスタ御用達」
「初心者向け」扱いされがちなドリッパー:
- メリタ(台形、1つ穴)→「安定はするけど味作りの自由度が低い」
- カリタ(台形、3つ穴)→「昔ながらの定番だけど今っぽくない」
でも、ふと思ったんです。「企業規模ってどうなってるんだろう?」と。
調べてみたら、驚愕の事実が判明
メリタの真の姿
メリタといえば、1908年にペーパードリップを発明したドイツの会社。でも実際の企業規模を調べてみると…
メリタグループの規模:
- 世界52拠点
- グループ全体で5800名の従業員
- 売上規模2000億円
- 世界150カ国展開
え、2000億円って何ですか。これ、とんでもない規模ですよね。
日本の主要コーヒー企業との比較
主要コーヒー企業の売上:
- UCC上島珈琲:3000億円(ただし世界売上、コーヒー豆事業含む)
- 味の素AGF:879億円
- キーコーヒー:約740億円
メリタの2000億円って、日本の大手コーヒー企業に匹敵、場合によっては上回る規模なんです。
一方、「人気」ドリッパーメーカーの規模は?
ハリオ:
- 資本金4.8億円
- 国内唯一の耐熱ガラス工場保有メーカー
- 売上規模は数十億円レベルと推測
カリタ:
- 従業員65人(2015年度)
- 資本金約33億円
- 同じく売上は数十億円レベルと推測
つまり、企業規模で見ると: メリタ(2000億円) >> ハリオ・カリタ(数十億円)
この差、一体何なんでしょうか。
業務用市場での圧倒的な存在感
答えは「業務用市場」にあると考えました。
ローソンのコーヒーマシンは、実はメリタ製
調べてみると、ローソンの「マチカフェ」で使われているコーヒーマシンは「メリタ カフィーナ XT6」という全自動エスプレッソマシンでした。
各コンビニのマシンメーカー:
- セブンイレブン:富士電機(セブン専用開発)
- ローソン:メリタ
- ファミリーマート:WMF→サンデン(新型)
ローソンは全国約14,000店舗。1店舗1台としても最低14,000台、さらにメンテナンス・消耗品で継続的な収入。これだけで相当な売上規模になります。
メリタの事業は「ドリッパー」だけじゃない
メリタの2000億円の売上内訳を考えてみると:
- 業務用エスプレッソマシン(ローソンなど)
- 全自動コーヒーメーカー
- フィルターペーパーの大量消費
- 世界150カ国での総合展開
実は、YouTubeで「初心者向け」と言われている1つ穴ドリッパーは、企業全体から見ると一部分でしかないんですね。
コンテストとビジネスの価値観は真逆
なぜ台形ドリッパーはコンテストで選ばれないのか
SCAJなどのコーヒーコンテストでは、圧倒的にハリオV60などの円錐形ドリッパーが使われています。理由を調べてみると:
コンテストが求めるもの:
- 技術の差別化
- 味作りのコントロール性
- 短時間での差別化
- 審査員に技術力を伝える必要性
台形ドリッパーの特徴:
- 安定性重視
- 誰が淹れても同じ味
- 失敗しにくい
つまり、コンテストでは「技術差が出やすい器具」が好まれるため、台形ドリッパーの「安定性」は逆にマイナス要因になってしまうんです。
業務用が求める価値は正反対
一方、業務用市場では:
- 再現性:誰が淹れても一定品質
- 安定性:バリスタのスキルに左右されない
- 効率性:朝のラッシュ時でも確実に
メリタがローソンに採用されているのも、まさに「安定性重視」の設計思想が評価されているからでしょう。
この構造、どこかで見たことがありませんか?
実は、私が注目しているカフェインレスコーヒーにも似た構造があります。
コーヒー愛好家コミュニティでは: 「カフェインレスは邪道」「味が劣る」みたいな空気
実際の市場では: 健康志向、妊娠・授乳期、夜でも飲めるニーズで着実に伸びている
YouTube界隈の「正解」と、実際のビジネスの「正解」は、必ずしも一致しないんですね。
企業規模とドリッパー評価のねじれ現象
まとめると、こんな興味深いねじれが見えてきました:
YouTube・コンテスト界での評価 ≠ 企業規模
- メリタ:「初心者向け」と言われがち → 売上2000億円
- ハリオ:「上級者向け」として人気 → 売上数十億円レベル
- カリタ:「過去の定番」扱い → 従業員65人
「技術の見せ合い」vs「日常の価値」
- コンテスト価値:技術差、コントロール性、エンターテイメント性
- 日常価値:安定性、失敗しにくさ、毎日の使いやすさ
ドリッパーそれぞれの魅力を知る楽しさ
こうした構造を理解すると、それぞれのドリッパーの個性がより鮮明に見えてきます。
円錐形ドリッパー(ハリオ、コーノ、カフェックなど):
- 技術による味作りの自由度が高い
- バリスタのスキルを活かせる
- コンテストや発信には向いている
- 抽出の過程を楽しめる
台形ドリッパー(メリタ、カリタ):
- 毎朝安定しておいしく飲める
- 家族みんなが同じ品質で楽しめる
- 忙しい朝でも失敗しない
- 100年近い歴史と技術の蓄積
どちらも素晴らしく、どちらも私たちのコーヒーライフを豊かにしてくれる存在です。
おわりに:すべてのドリッパーに価値がある
YouTube界隈で「初心者向け」と言われがちなメリタが、実は売上2000億円の業界最大手。
この事実は、コーヒーの世界に限らず、様々な分野で「見える評価」と「実際の価値」が多面的であることを教えてくれます。
円錐形ドリッパーの技術的な面白さも素晴らしく、台形ドリッパーの安定性や実用性も同じように魅力的。それぞれに異なる良さがあります。
コーヒーコンテストには競技としての価値観があり、日常のコーヒーライフには生活に寄り添う価値観がある。 YouTube発信者には発信者なりの視点があり、私たち一般消費者には消費者なりの視点がある。
どれも正しく、どれも価値がある。
多様な価値観を認め合いながら、それぞれのドリッパーの個性を楽しんで、自分なりのコーヒーライフを築いていく。
そんなコーヒー文化が、もっと豊かになればいいなと思います。
この記事は、自家焙煎とカフェインレスコーヒーを愛する一般消費者の視点から書かれています。企業の詳細な財務情報については、各社の公式発表をご確認ください。
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