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プロフィール とつきコーヒー|都内勤務のサラリーマン・コーヒーインストラクター2級。共働きで子育て中。自家焙煎デカフェコーヒー豆を販売しながら、カフェインレスコーヒーの可能性を探求中。Xやnote、ブログで情報発信しています。

京都コーヒー旅シリーズ
この記事は、京都のコーヒー巡りシリーズの一つです。今回訪れた他のお店もぜひご覧ください。
京都のコーヒー文化を深掘り 京都がコーヒー消費量日本一の理由とは。データで見る京都のコーヒー文化
今回訪れたコーヒー店
- 伏見の隠れ家「あおいコーヒー」- 丁寧に淹れられた一杯
- 創業70年超の老舗「市川屋珈琲」- 京都の歴史を感じる
- 三条の「LOB coffee house」- デカフェという選択肢
- 深夜喫茶しんしんしん – 夜だけの特別な時間(この記事)
それぞれのお店に、それぞれの魅力があります。京都でのコーヒー巡りの参考にしていただければ嬉しいです。
「しんしんしん」へ
もし、京都の夜カフェを探しているなら、ちょっと変わったチョイスができますよ。開店は夜20時。深夜3時まで営業する、夜だけの喫茶店。
京都の夜、暗い路地を歩く。街灯の光が途切れ途切れで、足元の石畳がよく見えない。静かな住宅街に、時折聞こえる遠くの車の音だけが響く。
そんな中、ふと看板が目に入りました。「深夜喫茶しんしんしん」。階段を登った先に、時代を超えた空間が待っていました。

YouTube動画がきっかけで知った、夜だけ開く喫茶店
この店を知ったのは、一本のYouTube動画がきっかけでした。
https://youtu.be/YYe0iGAt9uM?si=ADFtuxfXI-hRK0qw
画面に映し出された独特な雰囲気、マスターの佇まい、静かに流れる時間。その全てに惹かれて、「いつか行ってみたい」と思っていた場所です。京都でのコーヒー巡りを計画していた時、真っ先に思い浮かんだのがこの店でした。
面白いのは、この店の営業時間。開店は夜20時から。昼間はやっていません。夜だけ開く喫茶店って、それだけで何か特別な感じがしますよね。京都には多くのカフェがありますが、深夜まで営業している喫茶店は珍しいんです。
暗い路地を歩いて、2階へ – 銀閣寺エリアの隠れ家的スポット
LOB coffee houseでコーヒーを楽しんだ後、清水五条駅からバスで移動。銀閣寺エリアのバス停で降りて、歩くこと5分ほど。
この辺りは、京都駅周辺とは全く違う雰囲気です。街灯が少なく、かなり暗い。落ち着いた住宅街で、人通りも少なく、静かです。足元に注意しながら、ほぼ直線の道を進んでいくと、暗闇の中にぼんやりと看板が浮かび上がってきました。
「深夜喫茶しんしんしん」
店は2階にあります。バスが少し遅れていたので、到着したのは20時10分過ぎ。「満席じゃないといいな」と思いながら階段を登ります。
レコード、本、ポスター。時代が混ざり合う空間
ドアを開けると、動画で見たあの空間が目の前に広がっていました。

程なくしてマスターがキッチンから出てきて、迎えてくれます。先客は1組だけ。「好きな席でどうぞ」と言われて、窓側の席を選びました。
席に座って、まず目に入るのは壁一面のレコード。そしてギター、古い映画のポスター、レトロな看板、本棚にぎっしり並んだ本。青いライトと温かみのあるオレンジの照明がぼんやりと照らす中、昭和の喫茶店にタイムスリップしたような感覚になります。
メニュー冊子を手に取ると、表紙は色褪せて、角が丸くなっています。何人の手を経てきたんでしょうか。この年季の入り方も、また味わい深いですね。


ドリンクを中心に、お酒も豊富。ホットミルク、ホットココア、紅茶、ホットレモン、チャイ、そしてもちろんコーヒー。お酒入りのメニューも充実していて、ホットラム、ラムココア、ブランデー紅茶、ホットワインなど。Cold Drinkにはアイスコーヒー、オリジナルジンジャーエール、アイスミルク、アイスココアも。
今回はホットコーヒーを注文。ネルドリップで淹れるコーヒーは650円です。
ネルドリップのコーヒーと、ゆっくり流れる時間
マスターがひとりで切り盛りしているので、少し待ちます。でも、この待つ時間も悪くない。薄暗いライトの中、レコードジャケットを眺めたり、壁のポスターを見たり。なんとなく、今日一日のコーヒー巡りを振り返りながら、特に難しいことは考えず、ただこの空間に身を任せます。
コーヒーが到着しました。

黄色いカップに注がれたコーヒー。テーブルには古いSONYの小型テレビが置かれていて、なんだか不思議な光景です。一口飲んでみると、深煎り系で美味しいですね。ナッツ系の香ばしさがあって、でも苦味が強いわけじゃない。ネルで淹れているからか、マイルドな口当たりです。
冷めていくにつれて、甘みが出てきます。これがまた良いんですよね。めちゃくちゃ特徴的というわけではないけれど、普通に美味しく飲めるコーヒー。この「普通に美味しい」っていうのが、実は一番大切なことなのかもしれません。
小一時間ほど過ごしていると、だんだんとお客さんが増えてきました。若い人が多く、2~3人組で来る人たちがほとんど。静かな空間で、マスターとの会話はほとんどなく、お客さん同士もそれぞれの会話を楽しんでいる様子です。
近くに京都大学があるから、もしかしたら京大生なのかな。そんなことをぼんやり考えながら、私は私でこの空間を楽しみました。
夜のコーヒー時間が持つ意味 – 京都の夜カフェの魅力
こういう空間と一緒にコーヒーを楽しむのも、コーヒーの醍醐味だなって思います。
今日訪れた4軒、あおいコーヒーでは丁寧に淹れられたコーヒーの味わいを、市川屋珈琲では老舗の風格と歴史を、LOB coffee houseではデカフェという選択肢の素晴らしさを体験しました。
そして、ここ深夜喫茶しんしんしんでは、夜だからこそ楽しめる特別な時間を味わっています。純粋にコーヒーの味だけを追求するのも良い。でも、その時その場所で、空間と一緒にコーヒーを味わう体験もまた特別なんですよね。
この空間と私を、コーヒーが繋いでくれているような感覚。そんな風に感じました。

店内には「だいたい1時間くらいで入れ替わりをお願いします」という案内がありました。小さなお店だからこそ、いろんな人に来てもらいたいという想いが伝わります。京都の夜を楽しむ人たちに、この特別な空間を提供したい。そんな店主の気持ちが感じられますね。
夜遅くにやっているというのが、しんしんしんならではの魅力。昼のコーヒー店とは違う、夜だけの特別な時間があります。京都観光の夜、ちょっと立ち寄るのにもおすすめです。
また明日もがんばれそうです。
店舗情報

- 店名:深夜喫茶しんしんしん
- 住所:京都市左京区北白川久保田町57-16 2F
- 営業時間:20時~27時(深夜3時)
- 定休日:不定休
- アクセス:銀閣寺エリア、京都大学農学部正門から東へ徒歩5分、最寄りバス停から徒歩5分
- 価格:ホットコーヒー650円
- 抽出方法:ネルドリップ
- 雰囲気:昭和レトロ、静かな空間、レコードと本に囲まれた喫茶店
- ウェブサイト:https://shinshinshin.com/
- 支払方法:現金のみ
- おすすめポイント:夜遅くまで営業、一人でも入りやすい、京都大学近く
こんな人におすすめ

- 京都の夜カフェを探している人
- レトロな雰囲気が好きな人
- 深夜までゆっくりしたい人
- 一人で静かに過ごしたい人
- 京都観光の夜の過ごし方を探している人
- 銀閣寺エリアを訪れる人
ご紹介
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。締めに、とつきコーヒーの活動を紹介させてください。
プロフィール とつきコーヒー|都内勤務のサラリーマン・コーヒーインストラクター2級。共働きで子育て中。自家焙煎デカフェコーヒー豆を販売しながら、カフェインレスコーヒーの可能性を探求中。Xやnote、ブログで情報発信しています。

普通のコーヒーは今日の活力、デカフェコーヒーは明日の活力。
Rest tonight, Rise tomorrow
Decaf for Tomorrow’s Vitality
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